はじめに
「DDoS攻撃」という言葉を、ニュースやセキュリティ関連の記事で耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
DDoS攻撃はサイバー攻撃の中でも特に一般的で、企業のウェブサイトやネットワークに深刻な影響を与える可能性がある手法であり、多くの企業がその対策に頭を悩ませています。
この記事では、DDoS攻撃の基本的な仕組みや具体的な内容、そして取るべき対策についてわかりやすく解説します。
このような方へおすすめの記事です
・サイバー攻撃の種類や対策についてりたい方
・自社のセキュリティ対策について見直したい方
DDoS攻撃とは?
DDoS攻撃とは、「Distributed Denial of Service(分散型サービス拒否攻撃)」の略で、複数のコンピュータを利用して標的のウェブサイトやネットワークに大量のトラフィック(データ通信)を送りつけ、正常なサービスを妨害するサイバー攻撃の一種です。
DDoS攻撃の目的
DDoS攻撃の主な目的は、以下のようなものです。
・金銭目的の脅迫
攻撃を止める代わりに金銭を要求する場合が近年多発しています。
・嫌がらせや技術力の誇示
特に理由がない嫌がらせ、または自身の技術力アピールのために行われる場合もあります。
・他企業や他国による業務妨害
競合他社や他国による、信頼失墜や国力低下などを狙った攻撃である可能性もあります。
・企業などに対する抗議活動
攻撃者が特定の企業や組織に不満を抱き、抗議するためにDDoS攻撃を行います。
DDoS攻撃の仕組み
DDoS攻撃では、攻撃者がコントロールする複数のデバイス(ボットネット)を使い、大量のリクエストを標的に送りつけることでサービスを妨害します。その仕組みを簡単に説明します。
1.ボットネットの利用
攻撃者は、マルウェアなどを使って他人のPCやIoTデバイスを乗っ取り、これらを「ボット」として操ります。このボットが多数集まったネットワークを「ボットネット」と呼びます。
2.標的への攻撃
ボットネットを利用して、標的となるウェブサイトやネットワークに大量のリクエストを送信します。これにより、サーバーが過負荷になり、正常なリクエストに対応できなくなります。
3.サービス停止
最終的に、ウェブサイトやネットワークがダウンし、利用者がアクセスできない状態になります。
DDoS攻撃の種類
DDoS攻撃にはいくつかの種類があります。それぞれ異なる方法で標的を攻撃します。
ボリューム攻撃
大量のデータを送りつけてネットワークの帯域幅を埋め尽くす攻撃です。
例:UDPフラッド、ICMPフラッド
プロトコル攻撃
サーバーやネットワーク機器が持つ脆弱性を突き、リソースを消費させる攻撃です。
例:SYNフラッド、DNSフラッド
アプリケーション層攻撃
ウェブサーバーやアプリケーション自体をターゲットにする攻撃です。
特にリソース消費が大きいため、効率的にサーバーをダウンさせることができます。
例:Low and Slow攻撃
DDoS攻撃への対策
DDoS攻撃を完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策を講じることで被害を最小限に抑えることが可能です。
トラフィック監視と異常検知
日頃からネットワークトラフィックを監視し、異常なトラフィックが発生した際に早期に検知できる仕組みを整えましょう。
レート制限の設定
特定のIPアドレスからのリクエスト数を制限することで、不正なリクエストがサーバーに負荷をかけるのを防ぐことができます。
WAFの導入やCDNの活用
WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)を使用することで、特定のIPアドレスや不正なリクエストをフィルタリングし、攻撃を軽減できます。また、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、ウェブサイトのコンテンツを複数のサーバーに分散して提供する仕組みです。DDoS攻撃を受けても、負荷を分散することで影響を抑えられます。
DDoS防御サービスの利用
専門的なDDoS防御サービスを利用することで、攻撃を自動的に検知し、軽減することが可能です。
おわりに
DDoS攻撃は、ウェブサイトやネットワークに深刻な影響を与える脅威ですが、適切な対策を講じることでリスクを大幅に軽減することが可能です。
この記事で紹介した対策を参考に、自社や自分のウェブサイトをDDoS攻撃から守るための準備を進めてみてください。特に、トラフィック監視やWAFの導入などは効果的な取り組みです。継続的に改善を重ね、攻撃に強い環境を構築していきましょう。